発達障害のある子の中学受験

目次

はじめに

発達障害のある子どもの人数が増えている中で、進学は重要なポイントです。

障害があろうとなかろうと小学校から中学校、中学校から高校、大学と上に上がれば上がるほど「勉強」が難しくなるだけではなく「受験」という壁があります。

障害があるため受験はできないと諦めていませんか。進学についてどうしたら良いか悩んでいませんか。

選択肢として発達障害のある子どもも中学受験をすることができます。

この記事を読み、お子さまの進路を考えるヒントになれば幸いです。

発達障害のある子どもの中学受験

児童数が激減している中、中学受験者数は2024年度も増加しています。首都圏では小学生の5人に1人、東京だけだと約30%程が中学受験をするといった現状です。それだけ競争が激しい中で発達障害のある子は中学受験をするという選択肢はあるのでしょうか。

中学受験というのは決して受験勉強を早い時期から行い学力が高い学校に入ろうとするだけのものではありません。

私立学校は公立と違い、それぞれの学校の特色ある環境の下で学ぶことができます。

学校生活だけではなく、今は入試自体も学力を図るだけではなく、特性に合わせ合否を判断をする学校が増えています。

したがって、お子さまの障害の特性に合った環境、入試を選ぶことができるのです。

発達障害のある子どもが受験できる中学校

障害がある中で中学受験をする場合、どのような中学校があるかをここでご紹介します!

① 和光中学  https://wako

所在地:東京都町田市真光寺町1291

アクセス:小田急線鶴川駅からバスで約10分、京王相模線若葉台駅からバスで約10分

◎軽度発達障害児、心身障害児の受け入れあり

教育目標 共に生きる教育❶自己肯定感を育む全面発達の教育❷自己表現と他者理解を大切にする教育❸権利行使の主体を育てる教育
特徴・オールバリアフリーの校舎・食堂あり・一人1台Chromebookを活用した学びを展開・コンピューター室・専任カウンセラーが常駐しているカウンセリングルームあり
行事・毎年水泳合宿(必須ではないが9割参加)・3年生 秋田合宿(5泊6日)・3年生 卒業公演(演劇)
入試国語・算数・面接

② 星槎中学校  https://www.seisahighschool.ed.jp/jrh/

所在地:横浜市緑区霧が丘6丁目13番地

アクセス:

  • JR横浜線十日市場駅下車

横浜市営バス「若葉台中央」行き(55・345系統)約10分

「霧が丘西」下車 徒歩約5分

  • 東急田園都市線青葉台駅下車

横浜市営バス「若葉台中央」行き(55・345系統)約20分

「霧が丘西」下車徒歩約5分

  • 相模鉄道線三ツ境駅下車

神奈川中央バス・相模バス「若葉台近隣公園前経由 若葉台中央」行き(116系統)約15分

「若葉台車庫前」下車徒歩約5分

◎文部科学省指定学びの多様化学校

※学びの多様化学校とは:不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校

教育の目標星槎の心=3つの約束(人を認める・人を排除しない・仲間を作る)
特徴・個別指導計画(IEP)を利用・心理検査(WISC)を活用・1日の終わりに全生徒は担任との「振り返り時間」を持つ・習熟度別クラス編成・複数の教員が一つの授業を教えるティームティーチング制(TT制)・国際交流あり
行事・キャンプ・ハワイ海外英語研修(2年生)・スキー実習
入試国語・算数・行動観察・面接

③ 自由の森学園 https://www.jiyunomori.ac.jp/

住所:埼玉県飯能市小岩井 613 番地

アクセス:飯能駅、狭山駅、東飯能駅、高麗川駅、小作駅 各駅よりスクールバスあり

◎ユネスコスクール加盟

※ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です。

 ユネスコスクールの活動目的:

■ユネスコスクール・ネットワークの活用による世界中の学校と生徒間・教師間の交流を通じ、情報や体験を分かち合うこと

■地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指すこと

引用先:文部科学省HPより(https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339976.htm

教育の目標深い知性と高い表現、等身大の体験から人間の自立と自由への教育を追及する
特徴・寮あり・定期試験なし-点数序列主義の教育を行なわないため・学食あり
行事・ナイトウォーク・林業の時間・稲作・スタディツアー(西表島、東北など)
入試○筆記:国語、算数○授業:理科、社会、体育、音楽、美術より1教科○面接

発達障害のある子どもが受験するにはどんな勉強をしたら良いのか!

まずはお子さんの特性を改めて見直してください。

■観察観点■

・集中力がどのくらいの時間もつか

・集中できる環境はどのような場所か

(自分の部屋、リビング、図書館など)

・1日のうちどの時間が集中しやすいか(朝・夕方・夜など)

・誰といるときが集中できるか(独り、親、兄弟姉妹など)

さらに教科ごとで観察してみましょう。

■国語■

・漢字を書くのが苦手

・音読をした時に、行の読み飛ばしがある

・正しく書かれた文を音読することができない

・助詞の使い方が正しくない

・文章の理解ができない(主人公の気持ちがわからないなど)

・文を書けない

■算数■

・計算をするときに指を使う

・九九を暗記できない

・図形をイメージすることができない

・図形を描けない

・グラフ(曲線)を描けない

・問題の意味を理解できない

特性に合わせて、お子さまに適した方法を見つけ出してください。

■勉強方法の例■

・集中力がない ⇒ 1問ずつやる 5分ずつやるなど細かく区切って勉強をする

・お子さんが集中しやすい環境を準備する

・字を書くのが苦手 ⇒ タブレットの利用

・読み飛ばしなどをしてしまう ⇒ 読むところに定規をあてたり、指差しをしながら読む

・計算が苦手 ⇒ 電卓を利用する(徐々に電卓を使わないようにするが無理に禁止にはしない)

・普段の生活から計算をするような話しかけをする(買い物など)

・図形が苦手 ⇒ 折り紙などを利用し実際にその図形を作る

・文章題が苦手 ⇒ 絵を描いて考える

他にもこういう場合はこのような勉強法というのはいろいろ考えられます。

お子さんにあった勉強法で中学受験を乗り切ることができます!

中学受験までの道のり

まずはどの学校を受けるか目標を決めましょう。

ネットで可能な限りで情報を得ることが大事ですが、口コミで判断することは避け、実際に自分たちで見に行き感じることが大切です。

したがって早いうちから、学校説明会、体育祭や文化祭などの見学に訪れることをおすすめします。

学校の雰囲気を知ることはネットや本などではわかりません。

お子さんがここなら通えるだろう、通いたいと思うことが中学受験合格への可能性を拡げます。

また受験勉強へのやる気にも繋がります。

学校へ行く際には、通学にかかる時間、電車の乗り換えの方法や混み具合も確認しましょう。駅からの距離もお子さんが一人で毎日歩ける距離なのかも大事です。

■中学受験までの道■

①通いたいと思う学校を見つけましょう。

②その学校の入試課題を確認しましょう。

③入試課題に必要な勉強を整理しましょう。

④受験勉強をするにあたって、お子さんに合った勉強法を構築しましょう。

⑤受験日までの計画を立てましょう。

!無理やり「させる」ことは避けましょう。

!途中の道のりで「休む」こともしましょう。

!笑顔で中学受験の道のりを歩みましょう。

まとめ

発達障害のあるお子さんでも中学受験をすることは可能です。むしろおすすめです。

お子さまにとって特性にあった学校で過ごすことが最適だと思います。

ここであげた中学校は、ほんの一例です。

学力に自信があるお子さんであれば、偏差値の高い中学校をねらっても良いでしょう。

ただし中学受験をするかは、決して保護者だけで決めないでください。

受験をするのはお子さんです。お子さんの意見や感じたことをしっかり受け止めて、話し合って決めてください。

今は特色のある中学校がたくさんあります。

ネットでいくらでも調べることができます。是非お子さんに合った学校を見つけて、無理のない範囲で受験をしてみてはいかがでしょうか。

中学受験は決して楽ではありませんが、合格すればお子さんが笑顔で学校生活を送ることができます。

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