~私たち大人ができること~
はじめに
今、不登校の子どもが増えています。
その中でも中学生の不登校が増えています。
学校に行かなくなってしまったことで、保護者の方は心配したり悩んだりしていることでしょう。
学校に行って欲しいとも思っていることでしょう。
でも、今は学校に行くことが当たり前から、学校だけが行く場所ではないと変わりつつもあります。
不登校になってしまった原因を本人から聞けるといいですよね。
でも本人も言えなかったり、わからなかったりするのです。
まず原因を知り、どう対応したら良いのか、そのまま学校に行かない日が続いている場合はどうしたら良いのか、
進学はできるのだろうか。
ご家庭の事業や環境、本人の人柄などで状況は異なると思います。
私が経験したことなどから、少しでもヒントになれば幸いです。
決して一人で親子だけで悩まないでください。
遠慮することなく周りに相談をしながら、本人の負担にならない、本人のこれからの未来を考えて方法を見つけていけるよう、一緒に前に進んでいけることを願います。
第1章 不登校になってしまう理由がわからない
第1節:学校に行きたくない
学校に行けないというのには、「病気によるもの」「経済的理由」「学校ぎらい」など様々な理由があげられます。
1998年に「学校ぎらい」を「不登校」と名称を変更しています。
文部科学省の調査では「不登校」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義されています。
私も実は、中学生の時に学校に行けなくなった時期がありました。
私は父の仕事の関係で転校ばかりしていました。
中学に入学をし、友だちと部活に入ったり、目標とする高校もあり、その目標に向かいながら勉強や部活をし、充実した時間を過ごしていました。
中2になり、そのままの成績が続けば、目標とする高校に入れる、部活も3年生引退後はレギュラーになれる、その矢先に、
転校をすることになりました。
転校先では、まず自分の存在は1からのスタートになります。
名前だけはみんなに知られていましたが、
「誰?」「何者?」。
そんな目で見られているように感じながら、笑顔を振りまいていました。
転校生というだけで先輩から目を付けられたり、
どんな高校があるかわからない中、目標も失い、学校に行く気力はなくなり「どうでもいいや」そんな気持ちになりました。
学校に行けば友だちはいる、放課後も友だちと遊んでいました。
いつも笑っていて楽しそうにしていたそんな私が「学校に行きたくない」と思っているとは、親は思ってもいませんでした。
「どうしたの?」と聞かれても、転校を親のせいにできるわけでもなく、気力がなくなったのをうまく説明できるわけでもなく、「面倒くさい」そう言って、自分の本音を隠していました。
転校前の中学校の友だちからの連絡で前の学校の様子を聞けば聞くほど、もうそこには私の居場所はないのだなと実感しました。
転校先の中学校でも、中2の2学期の転校でしたから、クラスでも、グループでも、自分の居場所と思うことはできませんでした。
家に自分の部屋があったのが救いだったなと思います。
自分でいられる唯一の場所、私の居場所だったからです。
私の場合は、理由が転校でしたので、時間が解決をしてくれ、
学校にも行くようになり、中学を卒業し自分の将来の夢に向かって進んでいくことができました。
第2節:不登校になるのは中学生が多い
文部科学省の調査より、2019年度間は30日以上欠席した児童生徒についての調査、2020年度からは「児童・生徒指導要録」の「欠席日数」欄及び「出席停止・忌引き等の日数」欄の合計の日数より、年度間に30日以上登校しなかった児童生徒についての状況になっています。
小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | |
2019年 | 2,744 | 4,549 | 6,715 | 9,466 | 13,282 | 16,594 | 34,324 | 45,327 | 48,271 |
2020年 | 3,395 | 5,335 | 8,028 | 11,108 | 15,603 | 19,881 | 35,998 | 48,723 | 48,056 |
2021年 | 4,534 | 7,269 | 10,289 | 14,712 | 19,690 | 25,004 | 45,778 | 58,740 | 58,924 |
表、グラフを見てわかるように、明らかに年齢があがるごとに不登校の子どもは増えています。
年齢だけではなく、年々不登校の子どもが増えていっているのも現状です。
地域別でも違いがあります。
1位:東京都
2位:大阪府
3位:愛知県
と続きます。
東京都は人口が多いのでその分不登校の生徒数も多いと考えられます。
では割合で見るとどうでしょうか。
1000人あたりの不登校生徒数で出したものを見てみると、
1位:宮城県で35.3人
2位:高知県で34.8人
3位:沖縄県で33人
東京都はというと21番目で28.2人
大阪府は6番目で32.4人です。
一番少ないのは富山県で20.1人となっています。
※出典:文部科学省 平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
なぜ宮城県が不登校生徒数のトップとなってしまっているのでしょうか。
不登校となる原因やそれに対してのどうしたら良いかの対策などは他の地域と変わりはありません。
その中で、未然防止対策では、「子どもへの全員への声かけ」が実施しきれていない学校がいくつもありました。
また、子ども自身との関わりや各家庭と連携にもあまり手が回っていませんでした。
学校の外部機関(教育委員会、児童相談所、病院など)との連携に取り組む割合も低かったのです。
この調査結果からも、子どもと関わる、連携を取るということの大切さが伺われます。
第2章 不登校の中学生とどう接したら良いか
第1節 不登校になってしまう原因(調査結果により)
不登校は決して怠けではありません。
一人ひとりに原因と理由があります。
文部科学省ではその原因を大きく3つに分けています。
①学校に係る状況
・いじめ
・いじめを除く友人関係をめぐる問題
・教職員との関係をめぐる問題
・学業の不振 ・・・・・・・・・・・・2位:6.2%
・進路に係る不安
・クラブ活動、部活動等への不適応
・学校のきまり等をめぐる問題
・入学、転編入学、進級時の不適応
②家庭に係る状況
・家庭の生活環境の急激な変化
・親子の関わり方
・家庭内の不和
③本人に係る状況
・生活リズムの乱れ、あそび、非行
・無気力、不安 ・・・・・・・・・・・・1位:49.7%
※文部科学省HPより
その中で最も多いとされている原因は、
「無気力・不安」という調査結果がでています。
次に多いのは「学業の不振」でした。
■「無気力」
理由がはっきりしている場合もありますが、
本人も理由がわからない場合が多いです。
例えば、
・授業がつまらない、わからない。
・中学受験が終わり力尽きた。
・自分に合った友だちがいない。
・集団生活が苦手、面倒くさい。
・先生が苦手、合わない。
・学校でやりたいことがない。
・学校でも家でも「~しなさい」ばかり言われる。
・友だちや兄弟姉妹などと比較される。
他にも理由がありますが、学校に行きたくないとまでの理由なのかと思ってしまわないでください。
そこが「無気力」の難しいところでもあります。
本人もよくわからない、周りにもわかってもらえない、そのつらさがあるものなのです。
■「不安」
・心理的離乳への不安
思春期や青年期において、家族からの精神的分離、自立のことを「心理的離乳」と言います。
子どもにとってはその精神的分離が追いつかずに不安へと陥ってしまうということが起こり得ます。
・精神的混乱
思春期で、男子も女子も自分の身体の成長に精神が追いつかず混乱が生じることも多いです。
・無気力からの不安
無気力から逃れたい、無気力状態がずっと続いてしまっていることで、なぜ自分は無気力なのか、極端には自分にはこんな無気力な状態で生きている意味はあるのかなど不安を感じてしまうこともあります。
・神経症を伴う不安
この場合は心療内科など病院に相談することも考慮にいれると良いです。
先生に相談をすることで不安から解消されることもあります。
薬を処方され、それにより解消されることもあります。
薬に抵抗を感じる方もいるかと思いますが、
いつも不安に陥ってしまうのと、薬を飲めばその不安が消え楽になる、ぐっすり眠れるというのとどちらが良いでしょうか。
もちろん処方には危険も伴いますので必ずお医者さんの指示に従って服用をしてください。
・発達障害を伴う不安
その場合は、本人が何をしている時に不安を感じるのか、何をしている時は不安にならないのかと、観察、分析をしてみてください。
そして保護者だけで悩み解決しようとするのではなく、学校や行政、地域の人たちを頼りながら不安からの解消法を一緒に見つけていくことが良いです。
第2節:不登校になった中学生の事例と解決
不登校になってしまうには様々な理由があります。
ここではいくつか私が出会った不登校になってしまった中学生の事例をあげたいと思います。
事例①:中学受験をし志望校に合格をした女子。
合格をした中学校は特殊なカリキュラムで授業が進められる学校でした。
入学した当初は友だちもでき楽しいと思えたのですが、思っていたより授業が難しく、周りはみんな授業を理解しているように見え、学校の雰囲気にはなかなか馴染めませんでした。
しばらくして体調を崩し学校を数日休んでしまいました。
体調が良くなり学校に行ったのですが、
授業の進み方が速く、みんなにかなり遅れを取ってしまったことに戸惑いを感じてしまいました。
中学受験をし勉強はできるという自負があったので、なおのこと、授業がわからないというのが自分に取っては受け入れ難いことでもありました。
だから友だちに相談したり、先生に相談をすることもできず、「学校に行きたくない」と不登校になってしまいました。
解決:
2学期後半になり、学校の先生から「このままでは進級は厳しい」と言われてしまいました。
いろいろ調べ、文部科学省で、
「不登校児童生徒の中には,学校外の施設において相談・指導を受け,社会的な自立に 向け懸命の努力を続けている者もおり,このような児童生徒の努力を学校として評価し 支援するため,我が国の義務教育制度を前提としつつ,一定の要件を満たす場合に,これらの施設において相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができる こととする。」
という通達が出ているのを知り、
本人がフリースクールに通うことならできそうだということで、そのことを学校の先生に相談しました。
最初は学校側がそのことを認めてくれませんでした。
理由は、フリースクールでは学校の特殊なカリキュラムに対応をした指導はできないので、単位を認めるということが難しいということでした。
しかしフリースクールもいろいろあります。
個別塾のように個々に合わせて学習をしっかりしてくれるフリースクールを見つけ、フリースクールの先生と学校の先生と連携を取りながら進めていくということで、
今、その学校に所属をしたまま、フリースクールに通い、中学卒業、その先の高校進学に向けてがんばっています。
事例②:周りのことがとても気になってしまう女子。元々、コミュニケーションが苦手で、教室でも静かにしていることが多かったのですが、クラスメイトから 「なんかお前気持ち悪い」と言われてしまいました。 そのことをきっかけに、そのような事を言った子だけではなく、クラスのみんなが同じように自分のことを思っている、そういう目で見ていると思い込んでしまうようになり、みんなの目が怖く学校に行けなくなりました。 解決:学校には行けていなかったのですが、塾(個別指導塾)には通っていました。最初は下を向いて誰にも存在を気づかれたくないかのように通っていたのですが、先生が自分を差別した目で見ないということで安心し信頼をするようになりました。 先生への信頼から、自習にも来るようになり、そこで学校や学年の異なる生徒と友だちになることができたのです。 塾に自分の居場所を見つけることができたのです。 それが自信に繋がり、塾での友だちの影響もあり高校進学への目標も持つことができ、中学校にも少しずつ通えるようになりました。 | ||
事例③:学校での音が苦手大きく2つのパターンが考えられます。(1)賑やかな音が苦手 教室にみんながいるとそこに入って行けない、またはそこに居られない。 給食での食器の音や食べる音さえも耐えられなくなってしまう子もいます。(2)静かな教室が苦手 「し〜ん」とした空間に入れない、居られないのです。 教室が静か?と思う人もいるかもしれませんが、それも人それぞれの感覚です。 例えば、授業中の静まりかえっている時間が息苦しくなるということもあるのです。「音」に敏感で不登校になってしまう子もいます。 解決:保護者が学校の先生に相談をしました。(1)賑やかな音が苦手な場合 授業をしている教室とは別の空き教室に席を用意してもらい、オンラインで受けるという考慮をしてもらいました。 給食の時も空き教室に行かせてもらいました。(2)静かなところが苦手な場合 どの授業なら大丈夫かを本人に確認をしながら、 例えば体育や音楽など「し〜ん」とした静けさにならない授業にだけ参加しました。 事例④:無気力になってしまった中学3年生の男子。 将来が見えず、学校になぜ行かなければならないのかを考えてしまい、無気力になり不登校になってしまいました。 高校に行きたいわけでもない、増してや大学に行ってどうするのか、ならば就職をするということを考えても、やりたい、やってみたい仕事がない。 解決:本人と話をしてみました。 まず言ったことが、3年生になり「受験生」と言われることがしんどいということでした。 親に言われ、学校の先生に言われ、塾の先生に言われ、 友だちにまでも「高校どこ受けるの?」「勉強してる?」 そんな日々に嫌気がさしてしまったとのことでした。 家庭が経済的に大変なのを知っていて、 どこの高校に行きたいか考えても、 結局、お金がかかるところはダメとかになると、 将来何になりたいからこの勉強をしたい、 どこの高校に行き、大学もとか考えても無駄ではないかと。 やりたいことがあるだけに、その方向に進めることができず、自分の中で葛藤をしていくうちに無気力になり学校に行きたくなくなってしまったのでした。 この場合は、理由がわかったので、 経済的なことは考えずに、何をしたいのか、どこの高校に行きたいのかをまず確認しました。 その上で、親と話しをし、今は返済しないでも良い奨学金もあるという話しをし、本人が行きたい高校の先生とも奨学金等の相談をさせていただき、受験できる方向になりました。 本人も目標が定まり、中学校に少しずつですが行けるようになりました。 第3章 中学生が不登校の時に 何をさせることができるか? 第1節 学校以外に安心して学べる場所・施設1日のほとんどを学校で過ごす子どもたちにとって、 そこは安心できる居場所であって欲しいものです。 でも、様々な理由で学校が居場所にならない子どもが多いのが現実です。 学校に行けなくなっても、居場所を見つけることは大切です。 そこから学校へ行けるようになったり、社会に出ていく準備をしていくことができるからです。今は様々な場所や施設があります。 ①学校内でもクラスルーム以外のところを居場所とすることもできます。 ・保健室 ・図書室 ・空き教室、空きスペース ・部活動 ・カウンセリングルーム ②学校外での公的機関 ・適応指導教室 ・中間教室 ・児童相談所 ・児童相談センター ・児童館 ③民間の機関 ・フリースクール ・通信制の中学校 ・コミュニティーセンター 他にも、学習塾や習い事の教室、子どもの居場所としての カフェもあります。 ここで気を付けたいのが、 学童や放課後等デイサービスも不登校の子どもの居場所になるのではと思ってしまうことです。 学童や放課後等デイサービスは、 あくまでも学校に行った後、放課後の居場所です。 または学校が休みの時の居場所です。 よって不登校である場合は原則、利用はできないのです。 居場所探しは焦らずに、 本人の「現在」「学校通学期間」「卒業後」と段階に分けて どうしたら良いか考えてみてください。 決して本人の負担やプレッシャーにならないように気をつけてください。 資料を集めたり、実際に行ったり、参加をして見つけるといいです。 どう調べたらいいかわからない場合は、 教育委員会のホームページやお電話などでお問い合わせや、 直接行ってみても良いかと思います。 学校に問い合わせをしても教えてくれます。 ただすべてを把握できているわけではありませんので、 地域の関係機関に聞いてみるというのもいいかと思います。 ひとり一人にきっと居場所はあります。 もしかしたらそれは建物などの場所ではなく、「人」かもしれません。 第2節:不登校の時に挑戦できること 学校に行かないと1日が長く感じるのではないでしょうか。 でも学校に行かないでいる時間にも無駄なことは決してありません。 その時間の中で学べることもたくさんあると思います。 でも、いつか自分で稼ぎ生活をしなければならないのです。 その時のために、学校に行かない時間に将来や自分はいったい何をやりたいのかなど考えてみたり、いろいろ挑戦してみるということも促してみるといいと思います。 例えば ・ゲームを攻略してみる ・ゲームを作ってみる ・絵を描いてみる ・楽器を演奏できるようにしてみる ・作曲をしてみる ・英検や漢検など検定試験に挑戦してみる ・ブログやインスタ、YouTubeなどに挑戦してみる ・漫画を描いてみる 私は、学校に行けなかった時は、絵を描いたり、1000ピースのパズルに挑戦したり、レゴブロックやプラモデル、他に漢検や英検の勉強をして過ごしていました。 学校に行く気もなく、無気力でもあるのに何ができるのか、 何かやりたいなんて思えやしないともなるでしょう。 その場合は、人生の休息と思ってみてもいいのではないでしょうか。 たった一度きりの人生、焦らずに1日1日、そしてその1日で1度でも笑えますように。 生きていて思うことは、なんでもありだなということです。 犯罪は別です。 人様に迷惑をかけることは別です。 それ以外であればなんでもありだなと思います。 YouTuber、eスポーツ選手、漫画家、モデル、声優、日本一周バイクの旅、ノマド、ミニマニストなど、周りや金銭的なことを気にせずに自分が何をやりたいかを考えてみてください。 そしてそれを叶えるとしたら何をしなければならないか調べてみてください。 それは自分の強みになります。 私が出会った不登校の中学生が挑戦していたことを ほんの一部分ご紹介をしたいと思います。 ①将来カフェをやりたい男子 お母さんと一緒に近くにあるいろいろなカフェに行き、マスターと仲良くなり、コーヒー豆のことを教えてもらったり、淹れ方を見たりし、家でコーヒーの淹れ方を練習していました。 自分の中でどんな場所にカフェを作るのがいいかを考えたりし、カフェをやるには経営の勉強もしないとならないからと商業高校に行きたいとまで考えていました。 ②YouTuberになりたい男子 手先が器用でフルーツカッティングなどが好きで得意でした。 YouTubeを見て、自分でもやってみたくなり、お父さんに手伝ってもらいながらフルーツカッティングの動画を撮る練習をしていました。 ③スクールカウンセラーになるか薬剤師になりたい女子 自分を知りたいということから、心理学に興味を持ち、 心理学の本や漫画を読み勉強をしていました。 その子は精神科に通院しており、自分の服用している薬のことを調べ、その流れでいろいろ薬について詳しく調べていました。薬剤師にもなれるのではないかというくらい薬の知識がありました。 自分のことを知っていきながら将来スクールカウンセラーか薬剤師かどちらになろうかなと考えていました。 学校に行けない、学校に行かないからの時間がある今だからこそできることがあります。 不登校だからといって下を向いてしまっているのではなく、それをチャンスとして前を向いて挑戦してみることができる時間があるのです。 居場所探しと同じく、本人を焦らせることなく、周りは見守ってあげてください。 第4章 不登校の中学生の気になる進路 第1節 不登校の中学生に考えられる進路 まず不登校が続くことで心配なのが、中学を卒業できるのかだと思います。 30日以上欠席をし「不登校」に該当しそうになった時点で、保護者は学校の先生に相談をしてください。 義務教育ではあるので、 卒業できないということは実際にはありません。 それならばそのまま学校に行かなくてもいいと思わないでください。 間違えてはいけないのは、中学校に行くか行かないかという「今」だけが問題なのではないのです。 先々社会に出て生きていかなければならないのです。 そのための準備として学校に通うのです。 その準備をしなければならない状況なのだというのを理解していてください。 では卒業後はどんな進路が考えられるでしょうか。 ①高校進学 中学を卒業できても、誰でも高校に進学できるわけではありません。 まず内申点があるかどうかの確認が必要です。 授業を受けない、試験を受けないと成績をつけることができません。「1」もつけられないのです。 公立高校は原則、出願の際に内申書(調査書)の提出が必要です。 最近では私立高校もほとんどのところが必要です。 中学校で不登校であり内申書(調査書)がなくても受験ができる高校を調べる必要があります。 調べるだけではなく、必ず、説明会には本人と一緒に行ってください。通学時間含め通えるかが重要です。 高校の環境や雰囲気を知ることが重要です。 説明かだけれはなく、文化祭や体育祭も見学に行ったり、 登下校時間の様子を見に行くというのもいいです。 今はネットでいろいろ調べられます。口コミもありますが、 最低1回は学校に行くようにしましょう。 ②高等専修学校(専門学校) 全国に約400校くらいあります。 分野としては、 ・教育、福祉 ・工業 ・農業 ・医療 ・衛生 ・商業 ・服飾、家政 ・文化、教養 学校によっては条件により(3年以上の在籍など)、大学受験も可能です。 ③高等専門学校(高専) ②の高等専修学校とは異なります。 ・工学 ・技術 ・商船 など技術者になるための専門技能を身につける学校です。 ④高等学校卒業程度認定試験 文部科学省が実施しており、試験に合格すると、高校卒業者と同等以上の学力があると認定され、高校を卒業しなくても、 大学、短大、専門学校の受験が可能になります。 高校にも通うことが困難であるが、進学をしたいという人には 良いかと思いますが、自分で勉強をするという姿勢がないと かなり難しい試験です。 ただ気をつけなければならないのは、実際に大学等を受験するには年齢制限もあるため、中学を卒業しいくら勉強をし認定合格をしても、大学等の受験はできません。 ⑤就職 学校には行きたくない、働きたいから就職をするというのもありです。 ただ、就職をすると決める前に、学歴が中卒でどんな仕事があるのか、まず調べてみてください。 ・職種 ・正規雇用枠 ・給料 ・通勤時間 などがどうかを調べ、納得した状態で就職をすると決め、その準備を早めからしていってください。 また就職に関しては、ハローワークや各自治体での職業紹介、相談もできる場所、書類の書き方などのセミナーがありますので、ご利用をおすすめします。 第2節 不登校の子どもを受け入れてくれる学校はあるのか 大きく分けて下記の高校があります。 ①全日制の高校 通常の課程で朝登校し1日5〜6時間の授業を1年間で200 時間程度受けます。 ②通信制の高校 夜間その他の特別の時間又は時期において授業を行う課程 ③通信制サポート校 通信による教育を行う課程 ※学校により、週に何日通学をするか、 スクーリングがどんな方法で行うか異なります。 ④単位制高校 学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修 得すれば卒業が認められる高等学校 ⑤定時制高校 中学校を卒業して勤務に従事するなど様々な理由で全日制 の高校に進めな い青少年に対して夜間その他特別の時間 又は時期において授業を行う課程 ※文部科学省より どの高校のスタイルでも中学校で不登校であった子どもを受け入れてくれる学校はあります。(受け入れられない学校があることも気を付けてください。) 今、不登校になっている中学生が増えています。 それは学校や家庭だけの問題ではありません。 みんなでどうしていったら良いか考えていかなければならない課題です。 不登校になっている中学生本人、そのご家族、学校は、不安や心配など抱えてしまっていると思います。 でも今は様々な道があるのです。 学校に行かなくていいというのでは決してありません。 学校で学べることは勉強以外にたくさんあります。 そこでの経験、出会いは社会に出てから大きく役に立ちます。 ただ、学校に居場所をないと感じてしまっている子どもに 居場所を見つけてあげることが大切なのではないかと思います。 学校に行かないどうしようと悩むのではなく、 子どもに合った居場所はどんなところがあるかで悩んであげてください。 前に向かって進んでいって欲しいと思います。 |